ご挨拶

初めて『アップルハウス』を吉祥寺に出したのは、22歳の時だ。

「私が作ったものを私が売る」
朝10時から夜8時まで、店頭に立って自分が作ったものを売っていた。
帰宅すると夕食もそこそこにミシンに向かって、明日売る商品を作っていた。
身体はちっともへこたれなかった。

染めた生地が形になった時の喜び。
お客様に「すてきね、いただくわ」とお買い上げが決まった時の達成感。
私は商品を作って売っている毎日が楽しくって仕方がなかった。

日本は高度成長の時代に入っていき、アップルハウスの売上もまた右肩上がりを続けるうちに、
私は1日が24時間しかないことに愕然とした。

…ひとりではできない。

それで店頭にスタッフ募集の貼り紙をした。
ウダガワさん、ヒラコ、ヨーコさん、マユミさん、みっちゃん…
アップルハウスの草創期の伝説になった人たちと巡り合った一方で、私は自己中毒状態に陥っていた。
自分より年長者の人を雇っても、誰一人定着しなかったのだ。
話し言葉に気を遣い、どう注意したらよいのか考えて、結局、私は彼らとうまく仕事ができないまま別れた。
…早く年をとりたい。黙っていても自分より年下の人だけが入社してくれたら、どれだけ気持ちが楽だろう。

私は66歳になった。
現在の入社希望者は年下どころか、孫の世代だ。

アップルハウスのコンセプトは変わっていない。
「私たちが作ったものを私たちが売る」
この44年間で「私」は「私たち」になっただけだ。

そうして私は考え始めている。
「私たち」のなかに「私」の思いや感覚を伝えていくことが、
これからの私の役割なのだと。

2015年5月吉日  たかはた けいこ

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